ここは、本来現場の先生方から受けた質問に答えるコーナーですが、今回と次回は趣向を変えて、「文型」をどのように捉え、教えていったらいいかについて書くことにします。というのは、長年、中高校の日本語教師の皆さんと接する中で、文型の教え方についていろいろと感じることがあるからです。それは、文型を学んだり教えたりする時に、「文法的意味」のみを重視し、その「機能的意味」や「文化的意味」を考慮していない人が多い、ということです。なぜ「文法的意味」だけでは不十分なのか、「Vている」を例として、一緒に考えてみたいと思います。まず、今回は「Vている」の文法的意味について取り上げます。
基本篇
皆さんはこの文型をどのように教えていますか。中学の教科書では「Vている」に関して、最初の段階では、次のような用法が取り上げられています。その文法的意味について考えてみましょう。
問題1:次の(1)~(6)の文は、A、Bの例文のうちどちらにあたりますか。
A:張さんは手紙を書いています。
B:あそこに財布が落ちています。
(1)父はさっきから本を読んでいます。 ( )
(2)銀行は閉まっています。 ( )
(3)ドアに鍵がかかっています。 ( )
(4)鈴木さんは隣の部屋で待っています。 ( )
(5)雨がザーザー降っています。 ( )
(6)申さんも研修会に来ていたそうです。 ( )
答 (1)A, (2)B, (3)B, (4)A, (5)A, (6)B
Aは「動作・作用の進行(継続)」を表しています。この時、「継続動詞」、つまり、ある時間継続して行われる動作・作用を表す動詞が使われます。例えば、「書く」「話す」「笑う」「泣く」「歩く」「流れる」などです。話し手の眼前のことを表すことが多いです。