私の名前はあんみつ姫。今日はとっても大変な日なのよ。そうだこの日を甘辛国の祝日に決めましょう! えっ、なんの日かって? 知らないの? あんみつ姫の11歳の誕生日よ! お城の中はバースデーパーティーの仕度でもう大変。でも私はパーティーが始まる迄はひまだからこの双眼鏡でみんなの様子を見てるってわけ。それにしてもみんなどんなプレゼントくれるのかなー。LPにオルゴール、それにぬいぐるみ、大きな花束、それからそれから…。
あら、パパとママが呼んでるわ、行かなくちゃ
。えっ、これがパパとママのバースディプレゼント? すっごく大きなプレゼント。中は何かなー、って私がリボンをほどいた途端に"西洋の婦人"が飛び出してきたんですもの。驚いたのなんのって。その人が私の家庭教師としてはるばるヨーロッパから来たんだと聞いてもっとびっくり。パーティーの時間迄勉強しましょうなんて言うんだもん。逃げだしちゃったわ。でもその家庭教師、カステラ先生っていうんだけど、タダ者ではなかったのよね。うしろからすごい勢いで追っかけてきちゃって…。必死で逃げたのに、正門のところでとうとうつかまっちゃった。せんべいの裏切り者! アッカンベーだ。
…というわけで私は観念して国語、算数、理科、社会と教科書を全部出して机に坐ったの。でも、カステラ先生どうしたと思う? 次々にぜーんぶ教科書しまっちゃって、そおして絵を描きましょう! っておっしゃったのよ。どこに絵を描いたと思う? スケッチブックなんかじゃないのよ。それはねー…。
私とカステラ先生は城壁にやぐらを組んで絵を描き始めたのです! こんな勉強ならいつでもOKよ。こんなに楽しいのって初めてだったのに家老のあべかわとおはぎの局にむりやりやめさせられてしまったのよ。せっかく私たちが描いた絵を甘栗の助たちがモップで消しているのを見たときにはもうガマンの限界。城壁のみんなに向けてホースの水を思いきりかけてやったわ。そしたらみんなもおこっちゃって物凄い水のかけあいが始まってしまったの。でもそのあとが大変。ホースの水がパーティー会場の柱を倒して、もう何もかもがめちゃくちゃ。あー、そして私のプレゼントが全部池の中に落ちてしまったの。LPやオルゴール、ぬいぐるみや花束が浮いているのを見たときには涙が出てきちゃった。