少し静かにしろよ
電車で通勤している人なら、一度や二度の乗り越しの経験がないという人はありません?
あれは不思議なもので、自分が降りる駅の一つ前の駅までは、ウッラウッラしてとして目を覚めますものですが、「次だ!」と安心して、結局降りる次の駅を乗り越してしまうことがよくあるものです?
シートに深々と気持ちよく眠っている人が、ある駅に電車が到着してドアが開き、目をあけるや否や、疾風のように飛び出していくあの早さ、よく見る光景ではあります。
電車が動いているときは、リズムに乗って“ゆりかご”の心地ですが、駅に止まって静寂が忍び寄ると、パッと目が覚めるものですね。
私もこんな辛い経験があります。
くだんのとおり、降りる前の駅で目覚め、「次がS駅だなぁ。」と心得ました。そして熟睡してしまったのです。降りるべきS駅はまったく気づかず、その次のO駅で目を覚まし、ドアが閉まる寸前に飛び降りました?我にかえって「しまった!」と思いました。もう上りの電車はなく、ホームの明かりも消えています。このO駅は小さな駅でタクシーもありません?むしろ、その次のN駅でタクシーもありません。むしろ、その次のN駅まで乗っていけば、タクシーは十分にあります。駅で電話を借りても車はきてくれず、結局四十分間、黒々と冷たい軌道を歩いて帰りました。
これは、乗り越し最長ではなかろうかと思われる友人の記録?
一0年も前だったでしょうか。東京駅二十三時五十五分発、下関駅行きの普通列車が運行されていたときの話です?彼は横浜へ帰るのでしたが、酒のせいもあり、発車と同時に眠ってしまいました?(略)若い娘たちの声に目覚め「眠れねぇーな?少し静かにしろよ?」
通学の女子学生たちで、豊橋だったそうです?
单词注释:
1. 乗(の)り越(こ)し--做过站
2. ウッラウッラ--迷迷糊糊
3. ~やいなや--……就……
4. 忍(しの)び寄(よ)る--悄悄来到